クラフトビールの仕込みに温泉水?温泉水に隠された秘密とは?(麗人酒造)
- ビアクラブ 信州
- 2024年4月3日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年8月6日

信州ビアクラブ始動し、初めての取材先は麗人酒造さんに訪問させていただきました。
麗人酒造さんは、日本酒で大変有名な酒造さんですが、1999年8月より日本酒造りで培ったノウハウを活かしてクラフトビールも造り始めました。
今日はそんな麗人酒造さんのブルワーの宮澤さんにお話しを伺ってきました。今回は、麗人酒造さんならではの「温泉水」を使ったビールについて取材してきましたので最後までぜひ読んでくださいね!
目次
ビールに温泉水?温泉水の大事な役割
温泉水を投入するタイミングは?
どんなきっかけで温泉水を入れたのですか?
温泉水は一石三鳥だった!
早速飲んでみた!
常温のビール飲んでみました。
「諏訪浪漫」
ビールに温泉水?温泉水の大事な役割

温泉水を投入するタイミングは?
ビールを造る手順は大きく5つあります。
製麦(大麦から発芽させ、麦芽を作ります)
仕込み(麦芽から麦汁を作ります)
発酵・貯酒(酵母がはたらき、テンプンを分解しアルコールと炭酸を作りだします)
ろ過(酵母を取り除きます)
パッケージング(瓶や缶などにビールを詰め込みます)
温泉水は、この工程のうち2の仕込みのタイミングで投入されます。
温泉水に含まれるミネラルが酵母のエネルギーとなり、そのエネルギーによって酵母が、元気になってより分解を進めることができるそうです。
その結果、分解が進むことによって「キレのあるビール」が誕生したということなのです。
どんなきっかけで温泉水を入れたのですか?

写真:ブルワーの宮澤さん
私のような素人には、なぜ「飲み物」であるビールに「温泉水」を入れたのか気になって聞いてしまいました!
皆様も気になりませんか?
そこでブルワーの宮澤さんにお伺いしてみました!
「もともとは、温泉水を入れるという発想は全くありませんでした。何か、特色を出すことができないかと考えていた時に、税務署の先生から温泉水を入れたらどうか?と提案を受けて入れてみようと試してみました。」
温泉水を入れることによって酵母の活性化につながりビールの味自体も良くなり、結果として一石二鳥になったということですね!
どのぐらいの量をいれているのですか?
宮澤さん「2000リットルのタンクに20L(リットル)入れています。」
‐ 20Lというと、思った以上にたくさん入れられているんですね~。温泉の味は残らないのでしょうか?
宮澤さん「温泉水に入っている成分については、煮沸をする際に揮発してしまうので、温泉成分は最終的には残りません。またビールは水が命です。水のph(ペーハー)や硬度の調整の際にも温泉水は非常に使えるんですよ。ビール造りにおいて、水のph(ペーハー)と硬度調整はいろいろなタイミングで行われますので、そういった意味では、温泉水がビールの健康の源になっているといってもいいですね」
温泉水は一石三鳥だった!
結論!
ビールの特色が出る
酵母の活性化につながりビールの味を良くする
ビールの命である「水」の健康管理(phおよび硬度調整)
先ほど一石二鳥って言ってしまいましたが、実は一石三鳥にもなる温泉水でした!
最初は、ビールに温泉?って思ってしまいましたが、本当にメリットしかありませんでした。
早速飲んでみた!

さてさて、温泉を使ったビールの味が気になります!
筆者もよだれを垂らしながら、お話をお聞きしていたので、早速飲んでみました!
と行きたいところですが、まずはブルワーの宮澤さんにおすすめのビールの飲み方を教えてもらいました!
冷やすだけが飲み方ではない!冷やしすぎずに飲むビールがおいしい
お恥ずかしながら、筆者は冷えたビールが大好き!でしたが、宮澤さん曰く、キンキンのビールよりもあまり冷やしすぎないで飲むことによって、よりビールの味を感じることができるため、ビール好きなら冷やしすぎずに飲むのがおすすめということでした。
さっそく、冷蔵庫に入れずに保管しておいたビールを飲んでみました。

今回筆者はくろゆり(スタウト)を飲みました。
スタウトは、イングランドでよく作られているスタイルです。長野県を代表する高山植物「くろゆり」をイメージした黒ビールです。
「ん~、旨い!」
仕事帰りの一杯は「あ~!効く~っ」って感じですが、味わいがあり納得の旨さです!
キンキンに冷やしていないビール、めちゃくちゃおいしかったです!
冷えたビールは、スカッと飲むことができるのですが、冷やしすぎていないこのビールは、一口一口がしっかりとビールを感じることができ、よりビールと向き合っているな~って感じました。
黒ビールが苦手な人でも飲みやすいと聞いておりましたが、しっかりとした香りを感じることができて、苦すぎないため飲みやすいビールだなと感じました。
ビールを造る際に、
「1杯、2杯であきるビール」ではなく、
「朝まで飲むことができるビール」
を目指して作っていると話してくださったブルワーの宮澤さんの言葉をそのまま体現しているビールでした!
ごちそうさまでした♪
「諏訪浪漫」

麗人酒造の外観
この地を訪れる人々に、地元で醸造されるビールや日本酒を通じて、さらなる元気と喜びを提供したい―そんな浪漫が詰まった商品になっています。諏訪の魅力を発信し、訪れる人々の心に残る体験を提供することで、地域の観光発展に寄与している商品だと感じました。
ぜひ皆様も、そんな「諏訪浪漫」を飲んでみてくださいね!
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